漫画に心沸き立つ時、長期休載の作家の凄さ
今週の週刊少年ジャンプ、なんと冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』が連載再開していましたね。あまりに急なことで、思わずびっくりしてコンビニにダッシュしてしまいました。
もはやネットニュースでも大々的に報じられるほどになった『HUNTER×HUNTER』。
連載初期からの愛読者たちは訓練され尽くして、もはや年単位レベルの休載は普通とさえ感じるほどにまで成長(?)しています。
今回はなんと1年以内に再開したわけですから、おそらく読者の中には僕と同様に「どうした冨樫!?モンハンが発売されたばかりだぞ!大丈夫か!?」と一様に驚愕したはずです。
『HUNTER×HUNTER』ほどではなくても、長期休載になっている作品は結構あります。
例えば、井上雄彦氏の『バガボンド』。
現在最新巻の37巻が2014年。もう4年近く前になります。それだけ壮大な物語に手をつけたというのもあるんでしょう。それでも、これだけ待たされても新巻が発売されれば、すぐにでも足を運ぶ作品です。
それと、三浦建太郎氏の『ベルセルク』もそう。第1巻発売が1990年。最新39巻が発売された時は、まさかの渋谷駅前で号外チックなチラシが配布されるほどの騒ぎでした。
この作品、『バスタード』と並んでダークファンタジーでは他の追随を許さない出来です。そうう言えば、『バスタード』も長期休載をしてる作品の1つですな。凄まじくエロ描写が多いんだけど、こっちも面白いです。
こうした作品群は、長期休載中もスピンオフ作品の発表やアニメ化、劇場版などの放映・上映が絶えないし、著者が個展など様々な活動をしている場合もあります。
自分が描きたくてしようがなかったものを形にして、それが熱狂的な支持を受けて、そして長く愛され続けている。しかも、肝心な本編の進行がこれだけ遅れているのにも関わらず、です。
もちろん、彼らと同じくらいのキャリアを持っていたり、多くのファンに愛されている作品もたくさんあります。それでも、こうした長期休載の憂き目にあいながらもついてきてくれるファンに囲まれている漫画家さんたちには、畏敬の念を抱いてしまうんです。
だって、僕のような凡人が3年、4年特に仕事もせず音沙汰なしになったって、忘れ去られるのがオチですもの。
その絵に見とれ、構図に息を飲む。
感情たっぷりの台詞回しもたまらない。それを口にするキャラクターも、魅力が溢れている。
そして世界観。緻密に作られた作品だけに漂う雰囲気が、読者をあっという間に別世界へ誘います。
ここまであらゆるものが揃っている漫画って、後世に語り継ぎたい現代最高峰のアートですよ。
それをたかが数百円で読めてしまうんだから、なんという幸せな時代に生きているのか。今週の『HUNTER×HUNTER』を読んで、僕はうっとりした気分を味わっていました…。
幼い時から変わらず、漫画を手にとって読んでいる時間は、癒しと興奮のひと時です。
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